Our Projects

Pharmacokinetics

小児などの特殊集団における薬物動態研究およびTDM研究を行っています。臨床現場で得られた血中薬物濃度を用いてモデル式を組み、体内動態に影響する要因を解析しています。後述する生物時計を利用した薬剤学研究では、血中薬物濃度推移や薬理効果が投薬時刻によって異なる現象に着目しています。代謝酵素や薬物トランスポーターの活性が一日の中で変化する機序を明らかにし、安全で有効な投与方法を提唱していきます。

Drug Delivery System

薬の効果を高め、副作用を抑えるためには、有効成分の薬物動態を把握し、製剤技術を利用して、必要なタイミングで、必要な部位に、必要な時間、薬を届ける事が重要です。当分野の製剤研究では、薬の副作用や薬物動態の問題点を解決するため、ドラッグデリバリーシステムを基盤とした製剤設計を行っています。タンパク質・抗体・核酸・細胞などの生物学的製剤の開発を得意としており、プロドラッグ化、ナノ粒子化、添加剤処方検討などの技術を有しています。

Circadian Clock

私たちの体には「体内時計」が存在しており、この体内時計の働きのため血圧やホルモン分泌などの生理機能が時刻によって大きく異なります。体内時計が乱れると、癌や生活習慣病に罹患しやすくなることが知られています。当分野では、膵臓がん、脂質代謝および骨代謝と体内時計異常との関連性について、分子メカニズムの検討を行っています。 薬の体内動態や薬に対する感受性も体内時計の影響を受けるため、投薬時刻によって薬の効き方(治療効果や有害作用)が変化することがわかってきました。当分野では、投薬時刻によって薬の効き方が変化するメカニズムを解析し、薬の有効性や安全性を高める研究を進めています。また、細胞が持つ時計遺伝子の発現パターンを解析することで、ヒトの体内時計機能を評価することも行っています。